Sing Smile Essence

不思議だ。
スポーツって。

高校野球に熱狂し
オリンピックに一喜一憂し。
ああだ、こうだ、
素人解説をしてしまう。


別段
見るわけでもない種目であっても
オリンピック中継のチャンネルを、
選んでしまう。


食事時間にテレビを消したら
なんだか妙にさみしくなって
「今だけは、特別！」
と、また、テレビをつけてしまう。


うらやましいなあ。
スポーツのできる人って。
すごく
尊敬するし、憧れる。


わたしは
運動音痴、おっと、いけない、
運動が苦手な人で
（音痴という言葉は使ってはいけません）
小学校時代から
体育の時間は
おじゃまさんでした。

高跳びの時など
体育座りをして、見ている時間の方が長かったなあ・・・・。


軽やかに、華麗に飛ぶ、友達を見ながら
私は考える。

何を考えるって
ここから、すでに
妄想に入っているのだけど


運動場の遠くから
近づいてくる、何やらマントを身にまとった人。
運動場の砂ぼこりに包まれながら
その人は、私の眼の前に立ちはだかった。

バサッとマントを外した、その姿は！


驚きの３対７の足長人間。


「君にこの、足をあげよう。
さあ、自信を持って飛びなさい。空高く！」

私はすくっと立って
高跳びの助走の列に並ぶ。


「なを美さん、あなたは、もう終わったでしょう。
今は、一番高いバーなのよ。あなたに飛べるわけないでしょ、
座っていなさい！」

先生の止めるのも聞かず
私は走り出す。

タッタッタッ
シュバ！
シュターーーーーーーン！


華麗に空を飛ぶ私。

口をあんぐり開けたままの
先生とクラスメイト。

バーは微動だにせず
一直線に残っている。

３対７の長～い足で
スキップをして
私はみんなの前を通り
列に戻る。


これで満足。