Sing Smile Essence

ライブハウスSingでのCD録音。

はるきさんが、ヘッドフォンを耳に当て、

私は、キーボード演奏のさとこさんと、呼吸を合わせ、

GO！

も一度GO!

はい、やり直しGO!

GO!　GO!　GO!・・・・・・・・ようやく終了。


ほっと一息ついて、さとこさんと、コーラを飲んでいたら
今まで
ヘッドフォンをしていた、はるきさんが
つかつかと、キーボードの前に座り、弾きだした。

私とさと子さんは、思わず目を見合わせた。
はるきさんが、弾いているのは、今さっき私たちが演奏していた
「沖縄から平和のうたを」
・・・・なのだった。

しかも、コード進行が全然違う！

かっこいいのだー！

これはもう、オコチャマが歌う曲じゃない、大人の曲です。


普段、学校現場で、型通りの、明快なコード進行しか使っていなかった私は

自分の曲がこうも変身する

いわゆる、

編曲の妙技に、ただただ、唖然とするばかりでした。
こ、この人は、何者～？


口をあけてぽかんとしている私に、はるきさんは、言った。

「なを美さん、他にもオリジナルの曲あるの？」
「あるんだったら、Singの飛び入りライブの日に、歌ってみませんか？」

「オリジナルの曲なんて・・・他にはありません。」
「でも、もし、作ったら、はるきさん、編曲してくれますか？」

「いいですよ。テープにでも吹き込んで、持ってきてください」

もう、ここで、あなたは察しがついたと思われます。

そうです。

すぐにその気になる私は、
その気になっちゃったのです。

次の日から一週間で
５曲ほど作っちゃいました。
（その中には、今回のミニアルバムにも１曲入っています。『日曜日の朝』）


一週間後、再びSingを訪れて
おずおずと
テープを渡した時、はるきさんは言った。

「えっ　ほんとに？」


今さら、そんなこと言わないでくださいよ～。
私ってば、すぐに本気にするんですから。

こうして、はるきさんは
かるーく言ったつもりなのに、
私からテープを預かるはめになってしまったのでした。